校跡めぐりとは?

校跡めぐりとは?

校跡めぐり(こうせきめぐり)とは、言語化されずに消え去っていく数百年続いた日本独自の「文化・風習・歴史・伝統」を「学校跡」を手がかりにめぐることで、ネット上にあがっていない小さなものまで「写真・動画・音声・文字」として後世に残していく新しい日本の動きです。

校跡めぐりの言葉はいつ生まれたの?

「校跡めぐり」という言葉は、当サイトが第一人者として、2024年(令和6年)8月5日に新しく作られた日本語のプロジェクトです。

それより以前は、校跡とインターネットで検索しても表示されず、「学校跡」という言葉の文字をひろって検索に出てきた程度でした。現在でも「こうせき」と入力しても「校跡」と漢字変換・変換予測されません。

よって、これからこの言葉を普及していくという決意のもと、活動しています。

ほぼ同時期に、大学生の阿鈍(あどん)さんが同じ意志のもと「校跡めぐり」の動きを発信し続けてくれています。

校跡めぐりをすることで得られるもの

「校跡めぐり」をすると以下のような再発見があります。

①校跡めぐりをすると、一緒に集落の歴史と文化を知ることができます。
②校跡めぐりをすると、日本人のルーツである原風景の景色・生活に出会えます。
③校跡めぐりをすると、自然災害・原発・ダム建設・トンネル工事による環境汚染・人口減少(過疎化)などさまざまな社会問題を研究するきっかけになります。
④校跡めぐりをすると、「使われなくなった建物」「消えていく伝統文化」に対して、こうしたら再びよみがえるのではないか?という再利用や地域おこしの手がかりを考えるようになります。
⑤校跡めぐりをすると、行った場所に愛着がわき「ふるさと」ができたような心の安らぎを感じられます。

校跡めぐりで決してしてはいけないこと

「校跡めぐり」をする場合、以下のルールは必ず守ってください。

①校跡をめぐりをする場合は、その場所・地域が築きあげた歴史や文化に敬意をもって訪れてほしいです。
②校跡をめぐりをする場合は、そこに置かれているものすべてをそのままに外からながめるだけにして下さい。
③校跡をめぐりをする場合は、おもしろ半分で「きもだめし」や校舎内に立ち入るなど「廃虚探索」のような荒らし行為をしないでください。
④校跡をめぐりをする場合は、できるだけ地域のかたにお声がけして、むかしばなしを聞きながら「その土地の歴史や文化」を1つでも多く学んで帰ってほしいです。
⑤校跡をめぐりをする場合は、あと数十年で消えてしまう文化・建物を、自分なりに見つけて写真・映像・音声・文字に残して、SNSなどで後世に伝えてほしいです。
上記と考えや方向性が同じかたは、ぜひ「校跡めぐり」という言葉をどんどん使って、広めてくださいね。

「廃校」という言葉が、なぜいけないのか?

「廃校(はいこう)」という言葉の代わりに「校跡(こうせき)」を使っていただきたい理由は以下にあります。

①「廃校」という言葉は「廃虚探索」ブームにあわせて広まったもので、学校が「廃止された」という事実があったとしても、廃という漢字は「すたれた」という意味合いもあり、マイナスのイメージにつながりやすいです。
②「廃校」という言葉は、現在すたれることなく「再利用されている建物」や「すでに建物がなく石碑のみ」のところにまで範囲が及ぶため、「すたれていないもの」を指す言葉として「廃校」を使うと矛盾点が生じます。
③「廃校」という言葉は、荒らし行為を助長・連想させるようなネガティブさを含んでいます。
④「廃校」という言葉は、幽霊やオカルトなどホラーのイメージを増長させ、学び舎として歴史がある校跡に対して「怖い」というイメージを植え付けてしまいます。
⑤「廃校」という言葉は、残念ながら閉校してしまった学校をもつ町がこれからなんとか「地域の新しい未来のため」に奮闘をする前に「地方はすたれている」と一蹴して価値を下げてしまう可能性があります。
このように、廃虚探索ブームが普及させた「廃校」という言葉のままで動くと、間違った認識で世間的にも受け取られることが多かったため、私たちは「廃校」の代わりに「校跡」という言葉を広めていきます。
今まで通り、廃虚探索をされる方は「廃校」という言葉を使い続けてください。
わたしたちは「校跡めぐり」という新ワードで地方文化の継承と、過疎化対策を学びながらこの運動を続けていきます。
校跡めぐり「阿鈍さん」からのメッセージ

校跡という言葉が学校跡全般を指す言葉になり、校跡巡りが史跡巡りや戦跡巡りのように、もっと普及すると願っています。

しかし、私は校跡という言葉の普及と共に、廃校という言葉についた負のイメージを取り除いていきたいと思っています。というのも、廃校という言葉は古くからあり、多くの人が知っている言葉です。

郷土誌や県や市町村の公的な文書でも使われています。閉校とほぼ同じ意味で使われていて、記念碑(特に古い記念碑)にもそう記されている場合もあります。

たしかに、ホラー映画や小説の舞台として廃校が描かれることが多いので、廃校=怖い場所のような印象を持つ人が多いでしょう。

また、廃という文字単体では廃れたという意味ですが、廃校という言葉は辞書にそうあるように「学校を廃止すること」や「廃止された学校」という意味から来ています。

なので廃校という言葉にマイナスではなくニュートラルなイメージを持っていてほしいと思います。

校跡は幅広い意味で学校跡を示す画期的な言葉ですが、廃校にはその言葉から連想されるように、校跡の中でも特に使われていない校舎をピンポイントで指す言葉としての役割があると思います。

多くの自治体でも廃校活用プロジェクトを掲げているところもあるので、廃校にも地域の未来を担う施設に生まれ変わるという明るいイメージを植え付けていきたいです。

阿鈍さんプロフィール

九州で廃校・校跡巡りをしている大学生。令和3年6月12日より開始、現在1300校ほど訪問。

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